はじまりはピアノ、次にトランペット。それから大学の軽音楽部でギターを抱えて歌いはじめ、ジャズシンガーとしてステージに立ち、いまは「菊池くじら」として歌っている。
ひとつの名前に落ち着くまで、ずいぶん遠回りをした人の話です。
はじまりは、ピアノとトランペットだった
1983年、ピアノを習いはじめる。1989年には吹奏楽部でトランペットを手にした。歌う前に、まず「合奏する人」だった時間が長い。
この順番は、いまの音楽にはっきり残っている。菊池くじらの曲は、コード進行がひとつところに留まらない。ジャズやボサノバ、R&B、歌謡曲がひと続きの流れとして出てくるのは、弾き語りから入った人の書き方ではなく、譜面と管楽器のアンサンブルを知っている人の書き方だからだ。のちに「豪華な編成でスタジオ録音した Jazz tune」を作ることになるのも、たぶんこの頃から地続きになっている。
1999年、大学の軽音楽部でシンガーソングライターに
1999年、大学の軽音楽部でシンガーソングライターとしての活動を始める。ここからギターと歌が中心になる。使っている楽器はクラシックギター。ピックを使わない、指で弾く音。あの少し丸くてやわらかい響きは、この選択から来ている。
拠点は関西。ライブハウス、カフェ、バー、ギャラリー、写真展の会場、そしてオンライン。「どこで歌うか」をあまり選ばずに、呼ばれた場所で歌ってきた人でもある。
Chili 名義の時代 ―― 『夜を巡る』と『Dance Your Life』
2011年、アルバム『夜を巡る』。絵と文のアーティスト・店橋花里による書き下ろし作品『夜は巡る』の朗読トラックを含む、文字どおり“夜のアルバム”だ。同年、島村楽器主催のコンテスト「録れコン」でグランプリを受賞した『夜という球体』も収録されている。ヘッドフォンで、夜にひとりで聴くために作られた一枚。
2014年、アルバム『Dance Your Life』。こちらは打って変わって、次から次へと表情が変わるカラフルな9曲。ジャケットの水彩(artwork by Shiho Ueda)そのままの音がする。「南風」「雨と土」「One windy day」「悲しい気持ち」「南のくにのそら」「八月の雨」「Loves me or not...?」「ビー玉みたいになる」——タイトルを並べるだけで、この時期に書いていたものの手触りが伝わってくる。
『Dance Your Life』の9曲は、いまも 試聴ページ で聴くことができる。
2013年、ジャズシンガーとして
2013年、Jazz Singer としての活動を開始。弾き語りとは別の筋肉を使う場所だ。人の曲を、自分の解釈で、バンドと一緒に立ち上げる。ここで得たものが、次の作品にまっすぐ出る。
『Why don't we play at the CABARET?!』という分岐点
2016年、ミニアルバム『Why don't we play at the CABARET?!』。トランペット、サックス、ピアノ、ベース、ドラムスという編成で、大阪の Alchemy Studio でスタジオ録音された Jazz tune。アップテンポでおてんばな “Brian version” と、ミドルテンポでグラマラスな “Basie version”、ひとつの曲を2つの表情で収録している。
イミテイションでもかまいやしない
ダマされてからが始まりよ
ミュージックビデオは、通天閣、月世界、レトロゲームセンターザリガニで撮影された。大阪の景色そのものがもう一人の出演者になっている映像で、いま見ても古びていない。クレジットと制作の話はこちらにまとめている。
そして2025年1月18日、神戸 CLUB 月世界で、同じタイトルを掲げたワンマンライブを開催。作品が9年越しに、ステージのかたちで戻ってきた回だった。
2026年、「菊池くじら」になる
2026年、菊地諒から 菊池くじら へ改名。名前が変わるというのは、たいてい何かを引き受けた合図だ。
そして同年、菊池くじらとしての 1st シングル『バター』をリリース。本人いわく「27年の音楽活動で最高の録音」。真夏の真昼、タンクトップとショートパンツ姿の女が、スーパーマーケットへバターを買いに行く——ただそれだけの歌なのに、暑い夏の空気が全部入っている。
同じ年、ラジオ番組「くじらとリツカのラブソングファクトリー」がスタート。リスナーから届いた恋バナをもとに、令和のラブソングを作っていく番組で、毎月10日・20日・30日に配信している。歌をひとりで書く人から、みんなの話から歌を作る人へ。ここでも役割がひとつ増えた。
オンラインは「配信」ではなく、港
現在、オンラインライブはアプリ「コロム(corom)」で定期的に開催している。画面ごしに一方通行で届ける場所ではなく、集まった人と一緒にその日をつくる場所として使っている。ペンライトも、コメントも、拍手も、聴いているだけの人も、全部ふくめてひとつのライブになる。はじめての方向けの入り方はこちら(コロム公式)。
目指しているのは、2029年 Zepp なんばでのワンマン公演。その航海の途中経過は、オープンチャット「菊池くじらと PEACHIES の大航海」で共有している。
これまでの歩み
- 1983
- ピアノを習い始める。
- 1989
- 吹奏楽部でトランペットを吹き始める。
- 1999
- 大学の軽音楽部で、シンガーソングライターとして活動開始。
- 2011
- アルバム『夜を巡る』リリース。収録曲『夜という球体』が島村楽器主催「録れコン」グランプリを受賞。
- 2013
- Jazz Singer として活動開始。
- 2014
- アルバム『Dance Your Life』リリース(全9曲/artwork by Shiho Ueda)。
- 2016
- ミニアルバム『Why don't we play at the CABARET?!』を配信リリース。Alchemy Studio でスタジオ録音、通天閣・月世界・レトロゲームセンターザリガニでMV撮影。
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- トラックメイカー・森口英次を迎えたエレクトロポップ『Netsugen』を配信リリース(菊地諒名義)。
- 2025.01
- 神戸 CLUB 月世界でワンマンライブ「Why don't we play at the CABARET?!」開催。
- 2026
- 菊地諒から菊池くじらに改名。1st シングル『バター』をリリース。
- 2026.08
- ラジオ番組「くじらとリツカのラブソングファクトリー」放送開始(毎月10・20・30日配信)。
- 2029
- Zepp なんばワンマン公演を目標に活動中。
楽曲提供・参加作品
- 九州産交リテール株式会社さま — サウンドロゴ
近年のライブから
- 2025.01.18 神戸 CLUB 月世界/ワンマンライブ「Why don't we play at the CABARET?!」
- 2026.05.17 和歌山・橋本 Cafe & Bar HONKY TONK/菊池くじら × 斉藤アキノリ ツーマンライブ
- 2026.06.20 京都・亀岡 カクイチ A-SITE/Mekke Music fes.
- 2026.08.05 大阪・西区 Chove Chuva/祐生カオル × 愛川聡 Duo ライブ ゲスト出演
- 2026.09.22 東京・表参道 Zimagin/深海通信 〜西のくじらと東のイルカ〜(予定)
